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家の玄関までたどり着いてスマホを確認すれば、メッセージに既読はついていなかった。
『今日はちょっといろいろあって早退することになった！今から帰るね』
大介、仕事だろうしさすがに既読つかないか...。余裕があればご飯だけ作っておこうかな。
そんなことを考えながら開けた玄関には、大介の靴が置いてあった。
(......ん？)
疑問に思いながらも靴を脱いでフローリングに上がると、洗面所からガサゴソと音がする。
「...ま、まって」
扉の前に立っただけでもわかる、明らかな異臭。
この生臭い感じは、間違いなく......
ごくりと生唾を飲み込む。
躊躇ってる場合じゃない。大介が、危険な目に遭っているかもしれないんだ。
玄関の傘立てからビニール傘を一本取って、突入のときと同じ体勢でドアの傍に張り付く。
3、2、1。
心の中でカウントをして、ドアを開け放った。
そこに広がっていた光景は、
「......ぇ、」
赤黒く染まったお風呂場の真ん中に、男の人が立っていた。
そして、彼はゆっくりと振り返り、目が合う。
声を上げようにも喉の奥に何かが張り付いたみたいに硬直して、何もできない。
「A？お帰り、今日は早いね。その傘は？どしたの？今日めっちゃ晴れてるけど笑」
右手には大きなハサミを持ったまま、いつも通りの笑顔で私を見る。刃先からぼたぼたと真っ赤な液体が垂れていた。
「だ、い、すけ」
「にゃはは、臭っちゃうよねー！ごめん、もう何時間かで片付くからどっかカフェとか行っとく？終わったら連絡するから迎えに行くよ。
あ、てかもしかして連絡してくれた？ごめーん、スマホ見れなくてさ、いま」
大介の言ってることが、うまく頭に入ってこない。
理解することを体が拒否している。
「そ、それ...は、」
やっとのことで口にした数文字に、大介はなんてことないように返した。
「Aの『先輩』だけど？」
「......なんで、そんなことしたの」
「そんなこと、って。Aのことを傷つけるのはどんな奴でも許せないでしょ？」
その言葉にはっとする。
「...まさか」
「あ、やっと気づいた？」
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灯莉(プロフ) - レモンさん» レモンさんはじめまして。最初からの読者様なんですね！ドラキュラ舘様、一本目ということもあってわたしも思い入れがあるストーリーなので嬉しいです。ありがとうございます(o´艸`) (4月20日 0時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - そして新作も楽しみです。 (4月19日 23時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 灯莉さんはじめまして。最初から読ませて頂きました。どのお話にもいろんな愛の形があるんだなぁと思いました。私は舘様のドラキュラのお話が大好きです。その後夢主ちゃんはどうなったのかも気になります。 (4月19日 23時) (レス) @page38 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年3月25日 21時
